美狐はベッドの上で愛をささやく

*・゚☆。・*夢から覚めて。*




 . ゜
。 。
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生成(キナリ)さんが運転する自動車で山道を進むこと約30分。



拓けた土地の中で、民家のような大きい一軒家が見えた。


外はもう真っ暗なのに、そこだけはいくつも連なっている窓ガラスから煌々(コウコウ)と、光が漏れていた。


そこが紅さんが経営するバーらしい。





生成さんが停車させる前から、駐車スペースには何台もの車とバイクが止まっていた。

ここのバーはとても人気があるみたい。



さすがは紅さん。


何でもできちゃうんだね。




生成さんも、他の車と同じように停車させた。


わたしと一緒に後部座席にいた真赭(マスホ)さんは、停車するとすぐにドアを開け、真っ先に外へ出てしまった。

続いてわたしも隣のドアを開けようとノブを引いた。

……と、思ったら、ガチャリと音を立てて勝手にドアが開いた。



わたしの手は宙吊り状態。

間抜けな姿勢だ。


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