美狐はベッドの上で愛をささやく
俯けた顔を上げて、生成に焦点を合わせると、ありがとうという気持ちを込めて微笑んでみせる。
「お世辞ではございませんよ?」
「……え?」
それはあまりにも小さい声で、何を言ったのかよく聞き取れなくって尋ねると、背中を押されて先を促(ウナガ)されてしまった。
木製の扉を開けると、お店の天井から吊るしているチューリップ形をした照明からは優しいオレンジ色の光が広い店内を照らしていた。
入口から向かって右側を見ると、横一列になった長いカウンターがあって、いろいろな形をしたお酒のボトルが綺麗に陳列してある棚の前に位置している。
カウンターでは白の長袖カッターシャツに黒いベストを着ているバーテンダーさんが注文されたお酒を作っているんだろう、リズムよくシェイカーで軽い音を立てながら、お客さんと話をしていた。
そんなカウンターの反対側は、円状のテーブルが広い幅を取りながら配置されている。