美狐はベッドの上で愛をささやく

自分の欲望の声に負けて……わたしは……人を……殺そうとした……。





ごめんなさい。


ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさい。





「ごめんなさい!!」








ワタシハキタナイイキモノナンダ……。







大きな声で謝ったわたしは、紅さんたちから背中を向けて走った。





――行き先はわからない。

でも、これ以上迷惑をかけちゃだめなんだ。




ここにいるべき存在じゃない。



「紗良!!」

「紗良様っ!!」



後ろからはわたしを呼び止める真赭さんと生成さんの声が聞こえる。



でも、もう立ち止まっちゃいけない。


優しさに甘えちゃいけない。

わたしはみんなが言うとおり、醜い化物なんだ。





もう、紅さんの傍にもいちゃ、いけないんだ。





「ふっ……ふぇ……ふぅ……」


……ごめんなさい。



とても好きな貴方を傷つけて……。


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