美狐はベッドの上で愛をささやく
自分のことしか考えていなくて……。
やっぱり、わたしは生きる価値もない化物なんだ。
こんなわたしは、紅さんを好きでいてもいけない。
心なんて持っちゃいけない。
……わたしには、居場所なんていうものは、あってはいけないんだ。
「…………っふ、あっ。
うああああああああああああっ!!」
わたしは走って走って……。
走り続けて、人気のない山の奥深くまでたどり着くと、とうとう身を崩し、大声で泣いた。
――絶望。
もう、わたしの中には、それしかなかった。