美狐はベッドの上で愛をささやく

「紗良、どうかわたしの傍にいてくれないか?」


真摯(シンシ)な瞳が、わたしを射貫く。



――ああ、もうダメだ。


紅さんの瞳に囚われたわたしは、もう、うなずくことしかできない。


自分の願望に抗えない……。








コクン。

わたしはゆっくりうなずいた。


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