美狐はベッドの上で愛をささやく
嬉しい。
わたし、紅さんのお嫁さんになるんだ……。
大好きな男性に、にっこり微笑まれ、わたしも微笑み返した後……。
紅さんの言葉を噛みしめる。
そっか、わたしは紅さんと永遠を誓うんだ。
もう一生離れないんだ。
そっか、一生かぁ…………。
……って。
「……ぅええええっ!?」
「まあ、わたしは離れる気もさらさらないんだけどね……」
「あのっ……くれないさんっ?」
紅さんは急にとてつもないことをサラリと言ってのける。
紅さんと永遠を誓うの?
だって、だって永遠だよ?
ずっと離れられないんだよ?
それなのに、笑顔を向けられると、わたしはつられて笑うしかない。
紅さんの微笑みは絶大だ。
微笑まれると、わたしも頬がゆるむ。
「愛しているよ、紗良」
チュッ。
紅さんはもう1回微笑んで、わたしの頭のてっぺんにキスを落とした。