美狐はベッドの上で愛をささやく

嬉しい。

わたし、紅さんのお嫁さんになるんだ……。




大好きな男性に、にっこり微笑まれ、わたしも微笑み返した後……。


紅さんの言葉を噛みしめる。


そっか、わたしは紅さんと永遠を誓うんだ。


もう一生離れないんだ。



そっか、一生かぁ…………。


……って。





「……ぅええええっ!?」




「まあ、わたしは離れる気もさらさらないんだけどね……」



「あのっ……くれないさんっ?」



紅さんは急にとてつもないことをサラリと言ってのける。


紅さんと永遠を誓うの?


だって、だって永遠だよ?


ずっと離れられないんだよ?



それなのに、笑顔を向けられると、わたしはつられて笑うしかない。



紅さんの微笑みは絶大だ。

微笑まれると、わたしも頬がゆるむ。



「愛しているよ、紗良」



チュッ。

紅さんはもう1回微笑んで、わたしの頭のてっぺんにキスを落とした。


< 391 / 396 >

この作品をシェア

pagetop