俺様王子と2℃の恋
「い、樹さん逃げましょう!」

「へ?」
「え?」

「もうここヤバイです!
 逃げましょう!?」

 自分でも何を言っているか分からなかったけど、ここにいる私の存在感の無さといったら……美人に囲まれた時の、私の逃げたくなったこの気持ちも分かってほしい。

 だけど樹は「落ち着けよ」と私の背中をトントンと緩く叩く。

 何のためらいもなく触ってくれたことが嬉しかったけど、今が今だけに余韻に浸っている余裕はない。
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