生意気な年下の彼
イメージカラー
「先輩、バレンタインで俺が言ったこと覚えてる?」

 この一言で、先輩の顔はみるみる内に赤くなった。
 反応から覚えていることが予想できるが、どうしても彼女の口から言わせたくなる。
 先輩は俺から視線を外し、躊躇いがちに口を開く。

「覚えてるよ。……チョコのお返しに期待しててって言ったことでしょ?」
「そう。で、今日は何の日でしょうか?」
「───ホワイトデー、です」

 先輩、敬語になってるよ。
 彼女の行動の一つ一つが愛しく、その度に理性の箍(たが)が外れそうになるのを、懸命に抑えていた。
 きっと先輩は知らない。俺がこんなこと思ってるなんて。

< 10 / 14 >

この作品をシェア

pagetop