ナイト!
「ちょっと、凛ちゃん!あたし聞いてない!!お母さんは知ってるの!?」
「理事長は身の上をご存知で、転入させていただいてます」
「もうっ、信じられない!!」
南雲くんのお母さんは相変わらずだなぁ…今日はさすがにネグリジェじゃなくて、ドレス姿だけど。
「紫苑、君は黙っておいて」
「ダーリン…」
「これは普通ではありえないこと。下手すれば東雲に汚名がついてもおかしくはない。だけど君には赤崎に訴えられても勝てる勝因、いや南雲にも勝てる勝因があるということかな?」
「赤崎グループの事ででしたら、南雲に損はない情報を持ち合わせています」
「ほう…。それでこの縁談、無くなってしまったわけだけど。うちと赤崎が提携できなくなった分の見返りはあるのかな?僕らだけではなく、南雲に対する見返りを」
「それなら用意してあります、…坂口」
総支配人が小耳に挟んでここにきたというのであれば、この人にも伝わってるはず。
高校生がこのホテルを走ってるなんて、あたし以外誰が考えられるというのか。