ナイト!
***



「あ〜あ、凛ちゃん帰っちゃった」



電話を終えて結衣の家に戻ると、まさにその瞬間を目撃した。



「…なんだ、吹雪か」

「なんだじゃねぇよ。凛ちゃん、どうするんだよ」

「どうするもなにも、そのままだよ」

「相変わらずひでぇな、結衣は」

「飽きた女はすぐ切り捨てるお前と比べてもらっちゃ困る」

「へいへい」


結衣は涼しい顔をして、夜景を眺めている。



相変わらず浮世離れした姿に、男の俺でもドキッとしてしまう。




「どうするんだ、あれを本気にしたら」

「あの子は本気にはならないよ。むしろからかわれたと思っているだろう」

「うーん、そうかぁ?」

「たぶん、あの子も、普通の奴らとは違うんだろう」

「…………」




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