さくらへようこそ
「皆さん、すごく楽しそうですね」

大倉の言う通り、周りに視線を向けると楽しそうな光景が広がっていた。

戸惑っていたノゾミも、横町のみんなとすっかり打ち解けていた。

「大倉さんは行かないんですか?」

そう聞いた美桜に、
「僕は、ここで見ているだけでいいです。

お酒もあんまり得意じゃないですし、何より雨宮さんの邪魔をしてはいけない」

大倉が微笑みながら返した。

「やっぱり、ここは温かいところです。

ここにいるだけでもホッとします」

続けて言った大倉に、
「ありがとうございます」

美桜は微笑みながら返したのだった。
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