さくらへようこそ
「ねえ、美桜ちゃん」

忍は美桜の顔を覗き込んだ。

「美桜ちゃんが名古屋に行くって言うなら、俺も一緒に行ってもいいかな?

その…1人で見知らぬ土地に行くよりも、その土地に詳しい人と一緒に行った方がいいって言うじゃない」

「でも、忍さんはお仕事があるんじゃ…?」

心配そうに聞いた美桜に、
「大丈夫だよ。

来週1週間、夏休みをもらったから」

忍は得意気に笑った後、ピースサインをした。

「会社に頼んで、名古屋のホテルに宿泊を手配してもらうから。

ああ、泊まる部屋は別々だけど」

そう言った忍に、
「じゃあ、忍さんに案内とホテルの手配をお願いしようかしらね」

美桜は首を縦に振ってうなずいた。
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