さくらへようこそ
「さくらちゃーん…あれ?」

次に入ってきたのは、頭のハゲたスーツ姿の中年男だった。

彼は小学校の校長先生だ。

「さくらちゃん、出かけているみたいだよ」

工場長が返事すると、
「何だ、仕方ない」

校長先生もカゴの中に1000円札を入れた。

「ったく、カギくらい閉めとけって言う話だよな」

工場長は苦笑いしながら校長先生に話しかけた後、カウンターの中に入った。

「ちょっとちょっと、さくらちゃんに叱られちゃいますよ」

慌てたように止める校長先生に対し、
「大丈夫だ、金は払ってる。

さて、ビールビール♪」

工場長は冷蔵庫からキンキンに冷えたビールビンを取り出した。
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