さくらへようこそ
校長先生は仕方ないと言うようにカウンターの中へ手を伸ばすと、グラスを2つ取り出した。

「校長先生もやるじゃないの!」

工場長は嬉しそうに笑うと、コンロのうえに置いてある鍋を見つけた。

「おっ、ラッキー♪」

鍋のふたに手を伸ばしたとたん、再びドアのベルが鳴った。

「あっ!

もう先客がいる!」

店内に入ってきたのは、革ジャンにジーンズ姿の中年男とポロシャツ姿の中年男だ。

革ジャンにジーンズ姿の中年男はレコード店、ポロシャツ姿の中年男は小さな不動産屋を経営している。
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