さくらへようこそ
美桜はグラスを2本取り出すと、そこにビールを注いだ。

「はい」

1本のグラスを輝に渡す。

輝はそれを受け取った。

「じゃあ、浅越さんの旅立ちを祝って乾杯しましょう!」

美桜は声を張りあげた。

校長先生と不動産屋もグラスを持ちあげた。

「それでは…カンパーイ!」

校長先生の掛け声で、それぞれのグラスが重なった。

「ありがとうございます。

皆さんに会えて、よかったです」

そう言った輝の眼鏡越しの瞳が潤んでいた。

「鳥取に出かけた時は招待してね」

そう言った美桜に、
「はい、必ずきてくださいね」

輝は首を縦に振ってうなずいた。


☆★第1話「初冬」完結☆★
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