また、キミに逢えたなら。


なんとなく悲しげなシロー君の横顔を見て、最悪のことしか頭に浮かばない。



いや

でも

まさかっ。

そんなことがあるはずない!



そう思っていても嫌な予感がしてならない。



小児病棟の中に入って樹里ちゃんの病室の前まで来ると、シロー君が足を止めて私の顔を覗き込んだ。



「…………っ」



ハッとしたのは、いきなり顔を覗き込まれたからでもドキドキしたからでもない。



シロー君の目に涙が溜まっているのがわかったから。



「樹里ちゃん……っ、莉乃に会いたがってたから」



“行ってあげて”



そう言われて背中を軽く押された。


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