また、キミに逢えたなら。
「大丈夫なの?」
まぁるい瑠璃の大きな瞳が心配そうに揺れる。
色白で血色のいい唇。
ピンク色に染まる頬。
女の私から見ても瑠璃は本当に美人。
「大丈夫だよー。すっかり良くなったし」
Vサインをして笑って見せると、安心したのか瑠璃はホッと息をついた。
「じゃあ先に帰るけど瑠璃ちゃんも気を付けてね」
汚れ物をバッグに詰め終えたお母さんは、そのまま立ち上がって部屋を出て行こうとした。
「お姉ちゃんが迎えに来てくれるから大丈夫です」
「もう帰んの?来たばっかじゃん」
「夜ご飯のしたくしなきゃいけないし、早く洗濯もしたいし。また今度昼間にゆっくり来るから」
「ま、別にいいけどね。ありがと」
なんだかお礼を言うのは照れくさかったけど、お母さんだって働いてるし大変だもんね。
「なーに?莉乃がそんなこと言うなんて。珍しくて明日雪でも降るんじゃない?」
そんなことを言いながらお母さんはクスクス笑っている。
な、人がせっかく素直な気持ちを口にしたってのに。
「そんなこと言ってるけどおばさん、顔がにやけてますよ」