恋色カフェ SS集
「これは後でゆっくりいただくとして……今はこっちをいただこうかな」
「きゃ……っ!」
店長は私を抱き上げてソファーへ寝かせたかと思えば、あっという間に唇を塞いだ。
「ちょっと、煕さ……」
「さっき寂しいって、俺に触れたいって言ってたでしょ?」
店長は意地悪な顔でわたしを見下ろす。
まさか、あの呟きを全部聞かれていた……?
「俺だってずっと彗に触れたかった」
店長は私に深く口づける。舌を絡ませ合い、触れられなかった時間を埋めるようにお互い求め合った。
――甘い。
チョコレートの味も、店長のキスも。
気が付けば、私は自分から店長の首に腕を伸ばしていた。
「キスをねだる彗も可愛い」
「……もう、やだっ」
「そう言わずに、もっと俺を欲しがってよ」
甘いものにはやっぱり中毒性がある。
魅惑的な香りに引き寄せられて、次を求めてしまう。
「もっと、キスしよう」
私は今日もこの甘さに、溺れる――。


