被害妄想ダーリン


椅子に座り、受け付けに顔を向ける。
このままじゃ景色は見えないけど…



「だめー!慎一さんは私とー!」


「アタシー!」



…まだやってんのか。


彼女達は私の次の番だったよな…。




「……ふうっ」




……え?



『自動で閉まります。ご注意ください。』




そういって一回転して景色を見渡す。
ほうほう。こういう作りになってるのね…。



……って!



「なんで慎一さんが乗ってきてるんですか!」



となりには何故か慎一さんが。



「しゃーないやんけ!
あいつらうるさいねんから!」



そりゃそうですけど…。



「なんやねん?
何か文句あんのか?」



そう言って鋭い目で睨まれた。



「ありません…」



そう言うと慎一さんは笑った。
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