被害妄想ダーリン


「さて、どこ行く?」


関西人の慎一さんが皆に聞く。



「私、慎一さんとあれ乗りたい!」


チヨちゃんがそう言った。
指さした方向には、観覧車があった。



「ああ、ドンキの観覧車か」



慎一さんは『ええやん』と言わんばかりに皆をそこへ連れていく。



「観覧車かあ。久しぶりだな…
は!もしや宇宙人の陰謀で閉め切ったなかに毒ガスを流し込まれるのかも!」


観覧車の時間待ちをしていると修司くんがそう言う。
…出逢った時から変わってないなあ…。



「大丈夫!修司おにいちゃん!
宇宙人と友達になればいいんだよ!」



ハゲ天使…
ポジティブだな…。



「慎一さんとのるー!」


「私とー!」



こっちは慎一さんと乗ろうと必死だし…。



「修司くん。
ハゲ…じゃない、椿ちゃんと乗ってきなよ。」


「えっ。
真知子ちゃんも乗ろうよ」


「いいよいいよ。
兄妹で過ごす時間、これから減っていくんだからさ。今だけでも。」



そう言ってふたりを乗せた。



「よし!
私は気楽に一人で乗ろーっと!」


そう言って乗り込んだ。
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