強引上司のターゲット
…っはぅあっ!!

なんて!なんて優しいの!



こんな時にまで優しくしてくれるなんて…ドキドキし過ぎて息が止まりそうだよ。嫌われてないって、期待しちゃうよ。


「すごいね…」


いつの間にか笑い止まった課長は、その一言だけをポロっと溢すように言った。

呆れてるとも取れる言葉だけど、その表情がそうじゃないって教えてくれる。
でも、こわい。
課長は今のあたしを、どう思ったんだろう。


一通りあたしの顔を拭き終わると、あたしの手からゆっくりとマグカップを取って、テーブルに置く。


ゆっくりとした動作であたしと向き合うように座り直した課長は、あたしの両手を包み込むようにそっと握って


「大丈夫だよ」


安心して大丈夫だよ、と言ってくれた。


あたしを試すようなチャラい顔じゃない。
意識しちゃうような男のオーラも出てない。

ただ、昔のままの最高に優しい笑顔。


「もう大丈夫だから…。俺が必要だって思えたらもう大丈夫。あと少しだよ。」


そう言ってギュッと抱きしめてくれる。
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