強引上司のターゲット
車に乗ってからもずっと考え込んでた。


あたしは今でも、彼が好きだと思ってた。
忘れられないんだと思ってた。






ううん…



違うかも。





忘れてなければいいと、思ってた。






忘れられなければ…
好きにならない方がいい人を
好きにならずに済むんだから。





好きにならずに済んだのに。




頃合いを見計らったかのように課長が言った。


「大丈夫?」


えっ?!大丈夫?
なんのこと?!
もしかして…気持ちバレた?


「この前泣いてたの、さっきの人の為だろ?」


心の中がバレたのかと思った。

そうだった。

課長はあたしが泣いたの見てたんだ。


「大丈夫です。大丈夫でした。大丈夫になったみたいでした!」


あたし、意外にも大丈夫だった。
今も、笑って大丈夫って言える!
だから…
だからやっぱり、あたしの気持ちはそうなんだ。




あたし。






課長を好きになったんだ。
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