強引上司のターゲット
えーっとーーー…
新庄さんから食事のお誘い?

…この人、一体何が目的?


「えっと…あのあたし、接待とかは」


「接待じゃない。」


あ、最後まで言わせてくれなかった。


「じゃ、じゃあえっと、何かダメなところとか…」


「問題があったらすぐに言うって。」


新庄さんならそれもそうか…って、
なんか…怒ってらっしゃいませんか?…


「あ、じゃあ、じゃああの、……」


「だから。プライベートで誘ってる。」


えっとー。
新庄さんがプライベートであたしを食事に誘ってる…?
空いた口が塞がらないとはこのことか。
突然のあり得ないような展開をやっと理解すると「どうなの?」と急かされる。

新庄さんと食事なんて考えたこともなかったし…第一話すのも緊張するのにプライベートなんてもっと無理でしょ!

かと言ってなんて断るべきか…
いやそもそも営業と補佐の関係で断っても大丈夫なのか?

何か答えなくちゃと必死に考えていると、新庄さんの向こうから、ランウェイを歩くかのように近づいて来る人が目に入った。
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