強引上司のターゲット
「課長!」
「ん?」
若干まだ心配そうな目でチラッとあたしを見る。
運転中で凝視されないことがせめてもの救いだった。
今言わなかったら、このままずるずる甘えちゃう。
だから、ちゃんと言おう。
「守るって…言ってもらえて、嬉しかったです。失恋したばっかりだったし、すごく、安心しました。」
「なんだよ急に?」と目を見開きながらも優しく笑う課長の横顔に、思わず吸い込まれそうだった。
“イケメン美人”という言葉が本当にピッタリの整った顔立ちが、今まで以上にキラキラして見える。
でも、もう…
「でも、大丈夫ですっ!」
精一杯の強さを見せつけた。
「…………」
思いっきり意気込んで言ったのに、反応がない。
え…?伝わらなかった…かな。
「あの…そんなに、責任とか感じてもらうようなことじゃないですし、それにあたし今でも、強いんですよっ?」
「………」
う…な、なんか言ってくれ…
「……だからもう、守るなんて思ってもらわなくて大丈夫です。」
「……なんでだよ」
え?……
微かに聞こえるくらいの声がした。