強引上司のターゲット
だけどっ、だけどっ!
それなのに!


課長の怒りに油を注いでしまったらしい。


課長は低い声で「ふ〜ん」と言った後、突然車を道路の路肩に停めた。


何?何?!
急なことでパニクるあたしは、自然と課長の方を向いていた。



そして、大きな、おーーーきなため息を吐いた課長はあたしの顔を見て一言





「残酷だね」





そう言った。





…残酷。
……残酷?
何で…そんなこと…


突然浴びせられた言葉にショックが隠せない。

あたしは…課長に惹かれた事実を残酷だと思った。
でも課長は今、あたしに言ったんだ。

あたしに残酷だと、言ったんだ。


こんな時に限って回転の良くなる頭は、一瞬で色んなことを理解した。

そしてそれは、ものすごい熱になって、あたしの瞳に溜まっていく…


泣かない。
こんな事で、こんな所で泣いたりしない。あたしは強くなるんだから。





滲む視界の中で、なぜか課長の手があたしの方に伸びてきた。




そしてその手は、あたしのオリオン座を掠めて頭を押さえ込んだ。
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