強引上司のターゲット
そして今あたしは…あたしは…

課長のマンションの前に居る…。


勢いで来てしまったものの、下から見上げても15階はベランダしか見えない。


わぁあああぁぁぁ…
どーすんのよぉ。


ここに来るまであえて何も考えないようにしてた分、どうしていいのかわからなくなってしまった…!


と…取り敢えず電話、だよね…?

携帯をバッグから出すまではできたものの、そこから先に進めないまま手の中の携帯を凝視していると


「えっ?!」


と言う、明らかに聞き覚えのある声が驚いている。


「わっ!」

わわわわわ!課長!課長!


予想もしてなかった突然の登場に押し掛けたはずのあたしがパニクってしまった!

それなのに、フッと笑った課長はさっきまで驚いてたのが嘘かのように余裕ありありの顔になった。


「どーーーしたのっ?」なんて言いながらゆっくりと近づいて来る課長からは、なんとも言えないオーラが放たれまくっている!


ゆっくり、ジリジリと近づいて来ると、あたしとの間に一歩分の距離を残して止まった。


近い!近い近い!


男のオーラを出しながら口角を上げてニヤッと笑い、アタフタするあたしを愉しむ課長は、確実に確信犯だ!
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