不機嫌主任の溺愛宣言

涙に濡れた水晶のような瞳でまっすぐに見つめてくる一華に、今度は忠臣の胸が切なさで詰まる。息も出来ないほどに。

自分でも情けなく不甲斐ないと思っていた心を、一華は正面から受け止めてくれたのだ。これっぽちも否定せず、『抱きしめて下さい』と。

「一華……」

感激で震える声で呼びかけ、おずおずと忠臣は手を伸ばす。その手が一華の肩に触れたとき、積もりに積もった想いは爆発した。

「一華…!!」

あれから、夢に見るほど抱きしめたいと思っていた華奢な身体を、忠臣は躊躇いをかなぐり捨てて力いっぱい抱きしめた。

込み上げる情熱。愛しさで満たされすぎて頭がおかしくなりそうな程に。

一華もまた、真摯で激しい忠臣の愛に包まれて、自分の想いが昂ぶっていくのが分かった。まっすぐで不器用過ぎるこの人が大好きだ、と。

「一華……愛してる」

自分の声と重なって、理性の崩れる音が胸の奥で聞こえたのを忠臣は感じる。頭で考えるまでも無く忠臣はほどいた右手で一華の頭の後ろを優しく押さえ――彼女の麗しい唇を奪った。本能が求めるままに。

柔らかに重なり合った唇は1度わずかに離れた後、角度を変えもっと深く重なり合う。

――好きだ。好きだ、一華。

愛しさで埋め尽くされていく思考に遂に観念した忠臣は、ほのかに甘く感じる彼女の唇を何度も自分の唇で包んだ後、その隙間から舌を侵入させた。

「……ん、っ」

刺激に思わず漏れてしまった一華の声が、彼の欲望の背中を押す。しなやかな肢体を左手で抱きしめるのを止めないまま、忠臣は角度を変え距離を変え、何度も一華の唇と舌を味わった。
 
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