呪いのテディーボーイ
平凡

セミの鳴き声が夏になったんだと教えてきた。しかしそんなの僕にはどうでもいい。
僕はあまり世の中の色々なことに興味が湧かない。
いつものように玄関を出ていつものように教室に入った。夏休みが近づいているということもあり、教室にはゆるい空気が流れていた。
窓際の一番隅の席にカバンを置き教科書を取り出そうとしたとき

[おはよー!凱(かい)ー!]

教室の扉を開けると同時に僕の名前を呼んで入ってきたやつがいる。
こいつは昔から仲がいい裕太(ゆうた)だ。裕太はスポーツ抜群の明るいやつで僕が唯一心を許せる人。
僕はクラスでもあまり目立たないタイプだが、誰にでも好かれるタイプの裕太はクラスでも人気者。そしてみんなからの情報網もスゴい!誰とでも仲がいいからかな。

[おはよう。なんかいいことでもあった?]

[それがさー!聞いてくれよ!新情報だよ!今日転校生がくるらしいよ!]

[ふーん。そうなんだー]

中途半端な時期だけど何かしら理由があるのだろう。しかしそんなこと僕には興味はない。

~~~キーンコーンカーンコーン~~

[ちょっとうるさい!黙れないの?チャイム鳴ってるでしょ!]

ざわつきをやめようとしないクラスメイトを前に一人の女子がきつく言いはなつ。
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