呪いのテディーボーイ
ここから始まる

僕は朝の裕太の言葉が気になって授業に全く集中できなかった。
心が震える初めての思いだった。
裕太は放課後になったら教えてくれると言っているが今すぐに聞きたい気分だ。
いつもより時間が長く感じられた。
裕太の方をチラチラ見るが裕太も早く言いたくてウズウズしているようだった。

放課後になってからでしか言えないようなこと。

そう思ってしまうと期待が膨らんだ。早く放課後になってほしい!

あと二時間で学校が終わるというとき先生から呼び出しがあった。

[放課後、この本図書室に運んどいてちょうだいね]

何十冊もある本を先生は指差しながら言った。

僕は図書委員会に所属している。理由はただ本が好きだから。他に入りたい委員会もなかったし図書委員会にした。
でもいまはそれを後悔している。
僕は本当についていない。
一階から三階の図書室にこんだけの本を運ぶのにどれくらいかかるだろうか。
もう予想もしたくなかった。
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