【短】真夏のmystery kiss*+.




「それが聞こえてたってことは夏愛起きてたでしょ?

……まあそれはいいんだけど、

私が廊下を歩いてこの教室に向かっている時に、

誰かがあっちの後ろのドアから出て行ったのを見たんだ。

私とは結構距離があってシルエットしかわからなかったし、

その人はこの教室出てすぐの階段を使ったみたいで

私とはすれ違わなかったし、『誰』とまではわかんなかったけどね」


「……じゃあ、本当だったんだ」

誰かはわからないけど、

あれ、本当に夢じゃなかったんだ。


「夏愛?なんでそんなこと気にしてんの?」


……どうすればいいんだ。

誰かわかればいいの?

でも知ってもどうするの?


もやもやする。

とりあえず、紫に話してみるか。


「あのさ……――」



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