確信犯
「四つ目は、苦悩。五つ目は、服従。六つ目は、覚悟。七つ目は、無償の愛。そして――」
また、一歩。
「八つ目は、破滅」
止まらず、揺れ続ける男のカラダ。
会長の前に屈むと。
私は、その膝に手を置いた。
「『八重(やえ)』。アナタの娘につけた、名前の由来」
ニッコリ、笑って。
ポンポン、と会長の膝をはたく。
後ろめたさ
嫌悪
恋慕
苦悩
服従
覚悟
無償の愛
破滅
それらをこの男が。
感じていないコト、知ってる。
「私は――白澤有雅の実の娘。匠の実の妹。私の子供は、実の兄と妹の間に生まれた子。分かりました?」