確信犯



母、雅が壊れたのは。


その瞬間だったハズだ。






母の日記には。


正気を取り戻した一時のキモチが、書き連ねられている。






「アナタが何よりも恐れるようになったのは、母との血縁の近さ」






されるがままになった男。


白澤有雅の髪を掴んで上に向ける。






「アナタが一番、嫌がる方法で思い知らせるコトが、母と祖母の願い」






――それが私の役目







「実の兄と妹の子供を、アナタの孫として抱かせてやりたかった」






――5歳から、21年間


白澤有雅の破滅だけを願って


私は生きてきた






ここまで教えてやれば。


あともう一息。


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