確信犯

 倫理観とは


❇~❇~❇



久しぶりの匠の部屋は。


前にも増して、居心地が悪い。





床を這う子供から目が離せなくて。


匠を、見ないようにした。






「オマエの会社も実家も、口固いな。新しい仕事先も住所も秘密。ウチにいた頃の住所は引っ越したろ」






判決を待つ被告人さながらの私へ。


届けられる言葉に、責めはなくて。






『探したんだ』


そう、伝わってくる。






自力で。


お金も遣わず。


それは、たかが知れた情報のハズ。





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