確信犯



“絆”が、羨ましい


世界の何処へ行っても


離れてしまっても


切れない絆が、羨ましい






兄の白澤匠室長は。


全てを知ってからも、拒否反応なんて示していない。






どんな相手でも固執しないで。


仕事のように割り切って、金銭解決くらいしそうなやり手の男なのに。






受け容れているという時点で。


他の女とは違う。






それは、寧ろ。


“妹”だったからこそ。


素直に受け容れられた、疑う事なく信じて守ろうとした。


そんな気配がする。






何故?


どうしてなの?






白澤の男は


他人を、信じないの?





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