確信犯



――政、宗……


八重の唇が、彼の名に形を変える。






広告を出している企業は、八重の仕事関係先だった。






高鳴る鼓動。


膨らむ欲求。






――欲しい


後でお願いしてみよう






横に打ち出されている、パフォーマンス開催日時を覚えた。


見惚れていても、気は回る。


高貴なのに、艶かしくさえ感じるその表情は彼らしくて。






――お帰りなさい






少し弾んだ心の中、八重はポスターを見詰めて囁いた。


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