確信犯



思わず、初めて。



「…ホントに…バカじゃないの?」



匠に面と向かって、呟いた。






「“好敵手”は“敵”じゃないからな」



匠は笑って、私を抱え上げた。






気付けば匠が、手慣れたように用意した敷き布団の上で。


大切に、扱われる。


もう、背徳の意識さえ薄れていて。







「ちょっ、…待て」



匠に手を伸ばして。


指で緩急をつけて撫でていたら。


急に、止められた。






「そんなにすぐに終わって欲しい?…そうはいかない」



……疲労に、気を遣っただけなのに






額を合わせて。


匠の瞳が。


たまらない、って伝えてくる。







額、瞼、頬、顎。


ゆっくり、撫でていくようなキス。






全てを明け渡せ、と。


匠が私をホドく。





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