確信犯
匠が引き結んだ形のいい口の端が。
嬉しそうに上にあがる。
背中を預けて。
首を預けて。
匠の唇が、私にかする。
かするだけでも、キモチがイイ。
ホントに、心があるんだと思える。
和室の畳にそっと倒されて。
不審な動きが始まる。
「っ!だから、疲れて――」
「――ん。もう治った」
……そんなワケ、あるか
「穢れのないウソくさいモノよりも…自分のタメに穢れてくれるモノ、俺を引きずり込む勢いで穢れを恐れないモノの方が、好きだ」
匠を見上げると。
妖艶に微笑まれて。
動悸が速くなった。
「禁止されているモノの方が、大抵は甘美なんだよ」
「…屈折してる…」
「オマエもだろ?」