確信犯
明るい調子で。
屈託なく話す奥平チーフに。
思わず、安堵する。
「接する機会が増えると、長年連れ添った夫婦のような空気が生じて、定着してきたのかも知れませんね」
下手に流さず。
よく言われます、的な感じで。(よく言われるワケないけど)
「あはは、そうかもね」
奥平チーフは。
砕けた口調で笑いながら。
相槌を打ってくれた。
たとえ。
私と、匠がどんな関係でも。
特に気にしない。
あしらい方から。
そんな風にも、受け取れて。
ホントは。
一瞬だけ戦慄いたし。
その慧眼に、敬服した。