確信犯



移動した先はお洒落なお店で。


ペンギンが二匹。


水槽の中で眠そうにしていた。






「で、仕事の話なんだけど」



奥平チーフは淡々と。


トルコライスを口にしながら言う。






「中途半端になるくらいなら、総務課には新人を入れた方が良い、っていう判断だと受け取ってもいい?」






そんな簡単に。


人員を増やせるはずないけど。






私は頷いて。


意思表示をする。






「なるほど。わかったわ」






一から人を育てるのは。


とても労力が要る。






けれど、委託は。


一人、入れるなら。


一人、退くのが当然。






大変さは分かっていても。


いずれ退く身なら。






なるべく早く。


手を打っておきたかった。





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