私と上司の秘密
職場から15分程歩いた駅前からタクシーに
乗り、運転手さんに課長は行き先を告げ、10分程走ったところで停まる。


「着いたぞ。」


タクシーを降りた。 


そこは、お洒落なイタリアンの店だった。


中に入ると、間接照明の落ち着いた内装で、奥の席へと案内される。


こんな上品なお店に来たことがなく、反して課長は、冷静に見え、馴れている雰囲気を感じて、そんなことに、大人に思ってしまう。


店員さんにメニューを渡され見るも、どれも美味しそうに見えてなかなか決まらない。


こんな時、自分の優柔不断に不甲斐なさを感じてしまう。


「あのー、課長は何を注文するんですか?」

「ここの、パスタはどれも美味しいから、
クリームパスタにするつもり。」

「じゃあ、私は、トマトパスタにしよう
かな。」


課長が選んだワインと一緒に注文してくれる。


しばらくして、ワインがくる。


課長は、片手でワイングラスを持った。


『やっぱり、課長の細くて長い指は、綺麗で
好きだ。』

その手をただ、じっと眺めていた。


グラスを持ち、ワインを飲む姿が、何だか、大人の雰囲気を醸し出しているようにも
みえる。


私も、少しだけ口を付ける。


「美味しいですね。」


体が、少しづつ熱を持ちはじめ、ほろ酔い気分
に、なってきたところで、パスタがきた。


一口、口に入れた瞬間


「美味しい、こんな美味しいパスタ、初めて
食べました。」

すると課長は、

「だろう。
ここのは、最高なんだよ。」

笑顔で答える。


「課長の笑顔、いいかも…。」
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