私と上司の秘密
俺は、宮下の脚を撫でている時、ふと、
脚の付け根の方の太ももにホクロを見つけた。


『俺以外の会社のヤツはもちろん、本人も
知らないだろな。』

そう考えると、得体の知れない優越感に
浸った。


そして、今日で終わりにするのではなくて、
今までみたいに、ただ、宮下の脚を見ている
だけではなくて、また、宮下の脚で
癒されたい、この脚が欲しい、手に入れたいという願望が沸々と湧いてきた。


『俺だけの脚にしたい。
他の奴には、絶対に触らせたくない。
これは、俺だけのものだ!』

理想の脚を求めて色んな女と付き合って
きたが、今までは、あっさりした付き合いで、多分、真剣に付き合ったことは、ないと思う。


でも今回は、それまでに味わったことがない、
今まで経験したことがない、執着心のような
得体の分からないそんな黒い欲望が俺の中に、湧いてきた。


年甲斐もなくそんな自分が、怖いような
恐ろしいような、モヤモヤした気持ちで、
それでいて、宮下の脚を触れていると、何だか分からないが、満たされた気持ちになり、
いつの間にか、知らないうちに、深い眠りに
ついた…。
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