あの日あの場所で
また、二人きり。
「...あの」
「!ん、なに」
突然話しかけられたから、思わずびくってしまう。
「さっきは、すみませんでした」
「起きたら病院で、色々わからなくて」
「助けて頂いて、ありがとうございました」
そう言って女の子は...枝里子は、深々と頭を下げた。
なんだ、かわいいとこあるじゃん。
「枝里子ちゃん...なにがあったの?」
「いえ、なにも」
「っ」
やっぱり、まだまだ心は開いてくれなそうだ。