ただいま。

「まだそうやって呼ぶのか?」


「何言ってっ・・・!!」


そして、次の瞬間、あたしの唇に温かいものが触れていた。

ちゅっ、というリップ音と共に唇が離れて、あたしの視界は少しだけ揺れていた。


「ゆ、唯花?!」


「最低!有岡、何考えてるの!?もうイヤ!出て行って!」

「なんでそうな」


「意味分かんない!なんで、なんで!あたしたち幼馴染じゃん!」


頭の中がパニックで、頭が痛くて。




意味が分からなくて。


「は?唯花、いまさら」


コンコンッ―――


「お取込み中かな?」

「先生っ」


「有岡くん、今いいかい?」



先生が有岡の名前を呼ぶ。


っていうかどうして知ってるの?

でも今はどうでもいい。


「あ、はい」


「先生、この人としばらく会いたくないから追い出しちゃってください」

「え、追い出すって」

「唯花、あのな」
「もう早く!」





勢いよくベッドに横になると、やっぱりいろんなところが痛くて、それでも涙が零れた。


二人が出て行ったのを背中で感じで、あたしはそのまま横になったまま瞼を閉じて、知らない間にまた眠ってしまった。

< 10 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop