ただいま。
side鳴
あのバカが事故で入院してから数日。
昔っから危なっかしい奴だった。
周りをちゃんと見てないっていうか、ポカンとしてるっていうか。
とりあえず、ほっとけない奴だった。
そして今回、事故。
俺はといえば、その事故の目撃者。
あの事故の日も一緒にいた。
映画を見た帰りだった。
あのシーンがおもしろかっただの、あそこは泣けただの、最後はちょっと寝てただのって、それはもういつもの如くハイテンションで。
挙句、映画のワンシーンで、女の子が横断歩道の白いところだけを踏んで渡っているのを思い出して実行し始めた時だった。
またふざけ始めた可愛いやつ、と一瞬でも思ってしまった自分を責めた。
一瞬にしてその事態が起きて、一瞬頭の中が追いついていかなかった。
目の前にはぐったりと横たわった唯花。
そして、トラックが一台。
「・・・っゆいかあああ!!」
急いで駆け寄って抱き上げて、ひたすらに名前を呼び続けた。