優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)

「…午後から半休取った。
本当は今日は報宣と打ち合わせだったけど
午前に変えて貰ったから、何とか切り上げて
休み貰って飛んで来た。」

「どうして、私があの会社にいるって
わかったんですか?」

都内の出張を優雅さんに連絡はする事はない。

どうしてあの場所に優雅さんが?

首を傾げた私に優雅さんはクスッと笑うと

「…こっちに着いてから事業所に顔を出した。
ちなみに俺も月曜に急遽あの近くの会社に
出張になった。
で、同行する稲垣(いながき)と
月曜の確認をしてたワケ。
そしたら、その稲垣は
経理の森谷聖子の彼氏なんだってな?」

私はコクンと頷いた。

私と聖ちゃんと同期入社で

東京事業所企画開発課の次期エースになる

2歳年上の稲垣さん。

入社後から聖ちゃんにアプローチを続け

当時別の彼氏と険悪状態だった聖ちゃんも

稲垣さんの熱烈さにノックアウトされ

結局彼氏と別れて、稲垣さんと交際を始めた。

子どものような無邪気な笑顔で

聖ちゃんと付き合える事になったと

私に報告してくれた稲垣さんを

今でも良く覚えている。
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