優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)

甘く長いキスをされ

息苦しさで酸素が恋しくて

この人の胸をスーツ越しにさすると

ようやく唇を離して貰えた。


息を吐きながら、私は顔を見上げる。

大好きなこの人の顔を見たくて…。


その人も少しだけ息を吐きながらも

ただでさえ鋭いその目を細め

口角をあげて余裕の表情を浮かべながら

「久しぶりだな…。
会いたかったよ…舞花。」

そう言いながら私の頬を撫でた。


…あっ。

撫でられた感触が夢じゃなくて

撫でてくれる目の前の人が

間違いなく本物で嬉しくて

「私も…凄く会いたかったです。
赤…。」

そう言いかけたところで

その人が人差し指を私の唇に当てた。


「……!?」

予想外の行為に目を見開くと

「舞花…やり直しだ。
ここは会社だけど今は2人きりだから
俺の事を名前で呼んで。」

この人はそう言って私をジッと見た。


人差し指から唇に伝わる熱で

私は体が熱く火照りそうだった。


「…私も会いたかったです。
優雅さんに…凄く。」

頬が紅くなりそうなのを堪えながら

それでも心からの気持ちを伝えた。
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