優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)

赤羽さんの第一印象は恐かった。

社内では珍しい髪色に染まっていて

美しい肌質で若くみえるけど

睨みつけるような目つきで

長身で私を見下ろすその顔は

カミソリのように鋭かった。


……この人が私の指導係!?

恐い…と何度も思った。


東京の有名なレベルの高い大学を

優秀な成績で卒業して頭脳明晰で

入社当時はこんなに恐くはなかったと

赤羽さんの当時を知る方々は

みんな口を揃えてそう話していたと

後で先輩達からは聞いたけど

まだ何も知らない初対面の私には

恐い以外の印象はなく

『まるで大蛇に睨まれた小動物だね。』

と、周囲も気の毒そうに

赤羽さんと私を見ていたらしい。


硬直している私に赤羽さんは

動じる事なく無愛想に

「指導係の赤羽だ。よろしく。
君を篠村と呼ばせて貰う。
新人だろうが甘えていい事ないし
気を抜く事など認めないし
容赦はしない。」

と言っただけで

早速仕事の指導が始まった。




< 25 / 142 >

この作品をシェア

pagetop