優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)
赤羽さんの第一印象は恐かった。
社内では珍しい髪色に染まっていて
美しい肌質で若くみえるけど
睨みつけるような目つきで
長身で私を見下ろすその顔は
カミソリのように鋭かった。
……この人が私の指導係!?
恐い…と何度も思った。
東京の有名なレベルの高い大学を
優秀な成績で卒業して頭脳明晰で
入社当時はこんなに恐くはなかったと
赤羽さんの当時を知る方々は
みんな口を揃えてそう話していたと
後で先輩達からは聞いたけど
まだ何も知らない初対面の私には
恐い以外の印象はなく
『まるで大蛇に睨まれた小動物だね。』
と、周囲も気の毒そうに
赤羽さんと私を見ていたらしい。
硬直している私に赤羽さんは
動じる事なく無愛想に
「指導係の赤羽だ。よろしく。
君を篠村と呼ばせて貰う。
新人だろうが甘えていい事ないし
気を抜く事など認めないし
容赦はしない。」
と言っただけで
早速仕事の指導が始まった。