僕らの明日の話をしよう

「そうなんだ。……あのさ、綾。
綾の志望校って、明修大なんだよね?」


「……どうしたの? 急に」


「急じゃないよ。ずっと不思議に思ってたんだ。
前から第一希望は明修大って言ってたのに、どうして推薦受けなかったのかなって。

綾ならどこの推薦でも受けられるじゃん」



光太には言ったことがなかったけど、みちるには話してたんだっけ。

明修大のこと。


忍くんから良い大学だってことを聞いていたのもあったけど。

調べたら明修大は留学制度が充実していて、留学中や帰国後のフォローもしっかりしていたから希望していた。


留学は私の夢だった。

いや、夢を探しに行く為に留学したかったんだ。



やりたいことが見つからない。

光太にとってのバスケみたいに、全身全霊をかけて打ち込めるものがない。


ずっとコンプレックスだった。
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