日曜日のキミ。
だから私は、翔矢を待った。


5分ぐらい経った時、
目の前から走ってくる少年が見えた。
「あっ、翔…「こっちきて!!」

私は、腕を掴まれて体育館の裏に連れて行かれた。

なぜか息が切れている翔矢。

「走ってきたの?」

そう言うと、息を整えながら

「カラオケ…誘われて…俺…逃げて…」

はぁはぁと息をしながら言う。

「えっ、ごめん、悪かったよね?」

カラオケに誘われてたんだ…

「い、いや…カラオケ…嫌い…」
ふぅ…と落ち着いてから
「理由になったからよかったんだ」

へへへっと子供みたいに笑う。

その顔をみて、可愛いなと思ってしまう。

「好きだなぁ…」

「…えっ?」
急に驚いてこっちを見る翔矢くんに私がびっくりしてしまう。

「好きって…なにが?」
翔矢が恐る恐る聞いてきた。
「えっ。」

どうやら、心の声が漏れていたらしい。

少し沈黙が流れた後で、私は決意した。

思いを、伝えよう。

新みたいなことになるのは
もう…もう…







嫌だから。
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