あまのじゃくな彼女【完】
いやいや、良いことなんてないでしょうよ。相手は大切な出演者。ようやくオファーを受けてくれたのに、ここでご機嫌を損ねては山下さんが報われない。
あー千葉さんまた機嫌悪くなるかも・・・と1人勝手な心配をしていたら
「綾江は同級生だよ、高校の」
少し開いた脚にだるそうに両肘をつくと、めんどくさそうに話を続けた。
「山下が交渉が難航してるって言うから、俺から頼みに行ったわけ。そしたらアイツ、俺が世話すんのが条件だーとか言いやがってさ」
「同級生・・・なんだ。それで・・・」
めんどくせーと今度は口に出しつつ、疲れを気にするように目頭をぐっと抑える。
「それでお見舞いにも来てたんだ」
ふーんと興味なさげに言いつつも、相手の様子を伺うように視線をむける。
シュンちゃんは私の言葉に動きを止めると目を見開いた。青ざめた顔は“ヤバい”と代弁していて取り繕う余裕もないようだった。